かんばん系タスク管理ツール作ります

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はじめに

はじめまして、IT系ベンチャーでCTOしてる水上です。私は、ゲーム・EC・人材とWEBサービスを作ってきました。その中でも必ず必要なタスク管理がありますが、常に満足出来る状態にはなりませんでした。そこで今までの経験を活かし、PDCAを高速に回すWEBサービスに最適な管理ツールを作ろうと思います。 

タスク管理は必要?

そもそもなんでタスク管理しないとけないのか?を整理すると・今何してるか?・何をすべき?(優先度・やるべきTODO)
・なぜそれをしてるか?
・作業状態はどうか?(遅延?課題はあるのか?)
・いつまでに?
・優先度は?
・なぜ今それしてるの?(期初の方針的にそうなってるよねなど)
・やるべき事の漏れの防止などなどがあります。思いつくままにサービス開発してたら何が出来上がるかわからないので、最低でもスプレッドシートで運用など何かしらWEBサービスを作る際にはタスク管理がされていると思います。

タスク管理、そして失敗の連続

WEBサービスを運営するうえで、企画や開発のタスク管理は必須になるため、タスク管理を行っていましたが、なかなか「これだ!」といった物が出来ませんでした。
 
タスク管理ツールの状態と実際のチームの動きが同期が取れていない(実際は作業しているのにTODOのままになっていたり)
 
そのためにマネージャのお仕事がタスク管理ではなく、タスク管理を管理する事になる。
 
期初に決めた開発目標(OKRなど)とまったく違うことをいつのまにかしている 
 
仕様変更により当初作成したタスクの目的とは、異なる目的になっていた。 
 
ビジネスサイドからの開発依頼が現在の開発目標と関係ないものが多々来て優先度の説明のMTGが開かれる。
 
 最近はslack文化が広まり、仕様変更がslack内で完結し、なんでこの仕様になってたけ、、、こないだやりとりして決めたましたよ、slackにログありますよ!って会話になりslackログ膨大過ぎて見つからない・・ 
 
もうタスク管理楽しくない、やりたくない、面倒くさい、勝手に動いてください!みたいな気持ちになりますが、大人として失格なので、まるっと自分の不満を解消するタスク管理ルールとツールを作ってしまおう事にしました。

失敗からのタスク管理(ツール)の課題まとめ

・実態とタスク管理ツールの状態に差分が生じやすい
 
・タスクの先にある目的を意識出来ない
 
・コミュニケーションがタスク管理ごとに出来ない
 
・期初に想定した目的にないものが増えてる事に気がつかない

失敗から考えたWEBサービス運営のタスク管理ツール

以下の3つの要件を管理ルールと管理ツールに落とし込む事にしました。
 
1. 「タスク管理」の管理をマネージャの仕事にしない仕組み
 
2. 目標を常に意識する状態でタスクを作る・依頼される状態にする
 
3. タスクの議論はタスク単位でログを残せる状態。それではこの3つについて詳細を説明します。
 

 1.「タスク管理」の管理をマネージャの仕事にしない

理想はマネージャがメンバーの現状のタスク状態とタスク管理ツールの状態を常にシンクする事です。しかし人はなかなかそれが出来ない。なのでマネージャが状況を聞きながらタスク管理ツールを管理するという悲しい状態になります。目指すべき状態は「メンバーがタスクを常に更新する状況を作る」事です。そのためにはメンバーにとって自分からタスクを更新する力学が必要になってきます。そこで作る管理ツールは管理ツールだけど、1点だけ組織運営のルールを設定します。
組織運営のルール
毎日その日にやったことを共有する夕会の実施。但し、個々のやったことを順番に共有するのではなく、「その日に動いた」タスク単位で発表する
例えば、管理ツール側にメンバーがその日動いたタスクのログを残す事(チェックリストにチェックを入れるなど)で、「その日に動いたタスク一覧」を出して、動いたタスク一覧の順番に発表していくことにすれば、その日動いたタスク一覧に自分のタスクが表示されなければ発表出来ない=「今日何もしていません」という状態になるため、「その日動いたタスクを記載する」というルールを自然にチームに根付かせる事が出来ます。
 

 2.目標を常に意識する状態でタスクを作る・依頼される状態にする

これはタスクを作るときに「必ず期初に設定した目標を選択する」という入力方法を作ることで、このタスクが期初設定された目標のどれにあたるのか?を自然に意識して作成出来ます。例えば、期初の目標が以下の3つであった場合
・「購入のCVRを10%にする」
・「1人当たりの商品閲覧件数を10件にする」
・「購入時のおすすめ商品の購入を前Qの1.3倍にする」
この3つのいずれかを選択しないとタスクが作成出来ない状態にします。(実際は「その他」という選択肢をつけますが、「その他」は優先度は低くなります) 
 

3.タスクの議論はタスク単位でログを残す

slackなどのコミュニケーションツールは劇的にチームの活性化を高めてくれたのですが、この仕様はどういう経緯で決まったのか?といった時にslackログを探してもなかなか該当の箇所が見つからないなどがあります。そこでタスク管理ツールではタスク単位でコミュニケーションを取れる状態を作り、そこで議論を行ってもらう事にします。
(これはtrelloでもありましたが、なぜか使っていなかった。)

開発するタスク管理ツールについて

このタスク管理ツールを作る時に、エンジニアだけではなくビジネスサイドの人もチームの状況や今やってる事が分かる状態にしたいという思いがあり、シンプルに表示できる「かんばん」をメインに作ることにしました。

まとめ

実はタスク管理ツールを作るのは2回目です。5年前にも使いやすいタスク管理ツールを作っていたつもりでしたが、タスク管理ツールを管理しないといけないという状況を脱する事が出来なかったため、やめてしまいました。あれから5年経ち、経験からもいけそうなアイデアも生まれ今回は、いいプロダクトが出来そうです。
 
良いものができたら公開して他の人にも使ってほしいという夢を見ながら作るのですが、実際使う場面がチームでの利用を想定しているため、個人でリリースしたものが企業で使ってもらえるのか、企業向けの場合はインフラ周りなどもきちんと作らないといけないのでくそうなるとインフラ代の月数万いきそうなところをどうするか、など色々な問題点はありそうですが、世の中に良いものを提供したいというエンジニアの本質のマインドで頑張っていこうと思います。